古より利用されてきた
珪藻土の歴史

人類の歴史に珪藻土が登場したのは、いまから約2000年前。
ギリシャの地理学者が自らの著書に「断熱性に優れた水に浮くきわめて軽い建築材料」として記しており、
軽量レンガの原料としてさまざまな建物に利用されています。
日本でも竈や炉、釜戸を成形する材料として利用されてきました。

珪藻土の形成と特徴

珪藻土は、古代の海底や湖底で堆積した植物プランクトン(藻)が長い年月をかけて化石化したものです。
その特徴は、ナノサイズの小さな穴である細孔が多く存在していること。
これにより、優れた吸水性や吸湿性を持ち、さまざまな用途に活用されています。

珪藻土の多岐にわたる用途

日本各地に存在し、年間何万トンも採掘されています。その利用法は多岐にわたり、一般的な用途としては、ろ過材として工業用廃油や食品のろ過、ビール製造時の酵母菌のろ過などが挙げられます。
農業においては、珪藻土を土壌改良材として利用することで、稲などの作物が太く育つ効果があるとされています。
また、珪藻土ともみ殻を混ぜた土壌は、イチゴの苗床としても重宝されています。

建築や農業への応用

建築業界における珪藻土の利用は、特に湿度コントロールの観点から注目されています。
珪藻土は、湿度の吸収・放出を自在に調整することができるため、建築物内の湿度を一定に保つのに役立ちます。例えば、壁や天井などの内装材として珪藻土を使用することで、夏の多湿な時期には室内の湿度を吸収し、冬の乾燥した時期には放出することで、室内の快適な湿度を保つことができます。
この特性は、カビや湿気による不快感や健康被害を軽減する効果も期待されています。
また、珪藻土を壁材や内装材として使用することで、その多孔質の構造が音を吸収する効果もあります。 これにより、建物内の音響環境を改善する一助となることが期待されています。
珪藻土は環境にも優しい素材であり、自然素材であるため、近年の建築業界では持続可能性や環境への配慮が求められる中で、注目を集めています。